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私より先に結婚した友達がめちゃくちゃマウンティングしてきて結婚式に呼びたくないんだけど、それってマズいよね?、求人があること自体が稀であった。そしてどこも、簡単にはいかない。どこも同じなんだろう。余裕がないのだ。それに、オラも27歳。うまくいくことの方が、難しかった。(やっぱり、どこも難しいな。でも、まだ始めたばかりだ……)そして、オラは街を歩く。仕事を求めるため、乾いた風が吹くビルの隙間を、縫うように歩いて行った。 50: 名無しさん@おーぷん 2014/08/15(金)15:37:15 ID:GIL1zwJTW ふたば商事に行こうぜ 51: 名無しさん@おーぷん 2014/08/15(金)15:50:25 ID:CtbQa6oWh しんのすけが一人になる最後とかないよな… 54: 名無しさん@おーぷん 2014/08/15(金)20:42:01 ID:MtFfnBWXj 家のローン完済できたのかな 56: 名無しさん@おーぷん 2014/08/15(金)20:59:29 ID:pD3YcZ8lI >>54両親共事故死なら、保険金はかなり出ただろうしそれで完済したんじゃねえの? 52: 名無しさん@おーぷん 2014/08/15(金)18:51:04 ID:YF7U8TTTr 支援……(´;ω;`)ブワッ 55: ◆YAe/qNQv0cvW 2014/08/15(金)20:50:17 それから2週間経った。オラがようやく見つけたのは、小さな工場の作業員だった。正直、手取りはほんのわずかだ。それでも、働けるだけ運がよかったと言えるのかもしれない。……しかし、この工場の勤務時間は以前の職場よりも長い。これまで夜7時くらいには家に帰れていたが、帰宅するのはいつも夜11時過ぎなった。当然、夜ご飯など作る時間はない。「……お兄ちゃん、最近帰るの遅いね……」オラにご飯を持って来ながら、ひまわりは呟く。「……ちょっと、な。働く部署が変わったんだ」「そうなんだ……なんか、毎日クタクタになってるね」「まあ、慣れるまでは時間かかるかな……」ご飯は、ひまわりが作っている。と言っても、冷凍食品が主ではあるが。それでも作ってくれるだけありがたい。ご飯は水が少なくて固いが、それでも暖かい。ひまわりに悟られないように、スーツで出勤する。そして仕事場で作業着に着替えるという毎日だ。はじめ工場長も不思議がっていたが、密かに事情を説明すると、それ以降は何も言わなくなった。仕事は、かなり労力を使う。単純な作業ではあるが、一日中立ちっぱなしだ。そこそこパソコンを使えるが、使う機会はほぼない。流れ作業であるために、オラが遅れれば、後の作業に影響が出る。だから一切気が抜けない。慣れない作業に、肉体と精神力を酷使し続ける日々は、とてもキツかった。それでも、今は働くしかない。 57: 名無しさん@おーぷん 2014/08/15(金)21:11:59 ID:vd2JsygMn あのドケチな親が保険にはいるとは思えないが… 58: 名無しさん@おーぷん 2014/08/15(金)21:21:07 ID:pD3YcZ8lI >>57家が吹き飛んだとき、火災保険使ってたろ生命保険くらい入ってるだろ 59: 名無しさん@おーぷん 2014/08/15(金)21:22:31 ID:qoPZ6wbAD >>58懐かしいものをwww 60: ◆YAe/qNQv0cvW 2014/08/15(金)21:28:51 休日のある日の朝、オラは目を覚ました。日頃の疲れからか、体中が痛い。それでも起きて家事をしなければならない。……だがここで、オラはある匂いに気が付いた。(この匂いは……味噌汁?)どこか、懐かしい香りだった。フラフラした足取りで台所へ行ってみると、そこには鼻歌交じりに料理をするひまわりの姿があった。「――うん?あ、お兄ちゃん、寝てていいよ」ひまわりはオラに気付くなり、笑顔でそう言う。「……お前、味噌汁作れたんだな……」「し、失礼ね!ちゃんとお母さんから教えてもらってたんですー!」「母ちゃんから……知らなかったな……」オラがそう言うと、ひまわりは急に表情を伏せ、寂しそうに呟いた。「……思い出しちゃうんだ。これ作ってると。――お母さんと、話しながら作ってた時のことを……。だから、いつもは作らないの」「ひまわり……」少しの間黙り込んだひまわりは、急に声のトーンを上げた。「――だから、特別なんだよ?ありがたく思ってよね、お兄ちゃん」はち切れんばかりの笑顔で、ひまわりはオラの方を見た。それは、ひまわりなりの誤魔化しなのかもしれない。オラが心配しないための。自分の中の悲しみを大きくしないための。ひまわりにとっての母ちゃんとの思い出は、暖かいものであると同時に、悲しみの対象でもある。味噌汁を作るということは、その両方を思い出させることになるだろう。……それでも、彼女はオラのために作ってくれた。だからオラは、それに対して何も言うべきではないんだろうな。「……いただくよ、味噌汁」「……うん!」そしてオラとひまわりは朝食を食べた。味噌汁は、少し塩辛かった。でも、とても心に沁みた。 61: 名無しさん@おーぷん 2014/08/15(金)21:30:21 ID:qoPZ6wbAD むさえの活躍はよ 62: ◆YAe/qNQv0cvW 2014/08/15(金)21:33:37 >>61承知 65: 名無しさん@おーぷん 2014/08/15(金)22:00:07 ID:fHRx3baz5 文の雰囲気が凄く好きだ支援ー 63: ◆YAe/qNQv0cvW 2014/08/15(金)21:42:37 朝ご飯を食べた後で、居間でまったりしていたオラとひまわり。目の前のテレビでは、朝のワイドショーが芸能人のスクープを取り立てていた。何でも、俳優の藤原ケイジとアンジェラ小梅が、またもや破局したとか。何度目だ、藤原ケイジ。そんな緩やかに時間が流れる室内に、突如けたたましくドアを叩く音が響き渡った。「な、なんだ?」おそるおそる玄関に近付き、ドアを開ける。――と同時に、とある女性が飛び込んで来た。「――か、匿って、しんのすけ!!」その女性は、室内に入るなり、ぜえぜえと息を切らしていた。「む、むさえさん!どうしたんですか……」オラの問いかけに、ひまわりが反応する。「え!?むさえおばさんが来たの!?」「おばさんって言うな!……それより、お茶くれ。喉がカラカラで死にそう……」何事だろうか……オラとひまわりは目を見合わせた。そして仕方なく、むさえさんにお茶を差し出した。 66: 名無しさん@おーぷん 2014/08/15(金)22:05:44 ID:iCAXerKYR 応援してるぞ 68: ◆YAe/qNQv0cvW 2014/08/15(金)22:15:37 「――ぷはぁー!生き返ったー!」コップのお茶を一気に飲み干したむさえさんは、元気に話す。「……それで?どうしたんですか、むさえさん?」「え?あ、ああ……ちょっと、避難を……」むさえさんの言葉に、オラは頭を抱える。もう、何度も聞いてきた言葉だった。「……またですか。今度はなんですか?お見合いですか?」「めんどくさそうに言うな!……まあ、父さんがお見合いを勧めてきたのは合ってるけどね……」むさえさんは、少しばつが悪そうに呟く。「そりゃそうでしょ。むさえさんも、いい加減結婚しないと」「そうそう。むさえおばさんもいい歳でしょ?」オラの言葉に、ひまわりが続く。「と、歳の話はやめい!それに、おばさんって言うな!――私はいいの!写真に生きるの!」……むさえさんは、プロの写真家になっていた。たまに写真展を開いては、そこそこ儲けているらしい。ただ、元来適当な性格もあって、開催は不定期。今では完全に、放浪の写真家となっていた。腕は認められてるのに、実にもったいないと思う。ただ、これだけ自然体だからこそ、いい写真が撮れるのかもしれない。芸術家とは、かくも面倒な存在なんだろうな。 69: ◆YAe/qNQv0cvW 2014/08/15(金)22:16:21 「……まあ、身を隠すだけならいいけど。それに、いくら九州のじいちゃんでも、さすがにここにいるなんて……」プルルル…突然、家の電話が鳴り始める。「……まさか……」「……ひょっとして……」「……う、ウソでしょ……」オラたち三人に、緊張が走る。ひまわりとむさえさんにアイコンタクトをした後、オラが電話に出た。「……も、もしもし……」「――ああ、しんのすけか。九州のじいちゃんたい」「―――ッ!」「むさえに伝えてくれんね。――いい加減、諦めて九州に戻れとな。頼んだばい」そして、電話は切れた。呆然とするオラに、ドアの陰に隠れたむさえさんがおそるおそる顔を覗かせた。どうだった?――そう言わんばかりの顔をして、オラに注目する。オラは静かに、親指を立て、アウトのジェスチャーを取る。それを見たむさえさんは、一人、ムンクの叫びのような顔をするのだった。 70: 名無しさん@おーぷん 2014/08/15(金)22:17:20 ID:yH88FzYlZ かなC 72: ◆YAe/qNQv0cvW 2014/08/15(金)22:37:29 「と、父さんにバレてたとは……」むさえさんは、居間の中央で項垂れる。「……まあ、親子ってことじゃないの?」「さすが九州のじいちゃんね。むさえおばさんの行動パターンを読んでる……」ひまわりは腕を組みながら、感慨深そうに呟く。「――こうしちゃいられない!」むさえさんは、さっさと荷物をまとめて玄関に駆け出した。「え?もう帰るの?」「まあね!父さんに居場所がバレてるなら、長居は無用!」むさえさんは急いで靴紐を結ぶ。と、その時――「――あ、そうだった。はい、しんのすけ」むさえさんは、オラに封筒を手渡してきた。「これ……」「少ないけど、なんか美味しいのでも食べなよ」むさえさんが渡してきた封筒には、けっこうな額のお金が入っていた。 73: ◆YAe/qNQv0cvW 2014/08/15(金)22:37:42 「……こんなの、受け取れないよ……」「そう言うなって。親族からの気持ちだから、素直に受け取りなさい。アタシも無名だったころに、散々みさえ姉さんに援助してもらってたしね。それを返してるだけなんだよ。……それに、しんのすけ達の元気そうな顔を見れたから、それでいいの」むさえさんは、優しくそう話した。「……もしかして、むさえさん。オラたちの様子を見に……」オラの言葉に、むさえさんは照れ臭そうに頬を指でかく。「……まあ、アンタ達に何かあったら、あの世でみさえ姉さんに合わせる顔がないしね……」「むさえさん……」「――そろそろ行かなきゃ!じゃあね!!」そう言い残すと、むさえさんは出ていった。「……なんか、カッコよくなったね、むさえおばさん……」オラの後ろから、ひまわりが呟く。「……そんなこと言ったら、またむさえさんにどやされるぞ?おばさんって言うなって。――でも、その通りだな……」いつもオラたちのことを気にかけてくれているむさえさん。その気持ちには、感謝してもしきれない。オラとひまわりは、彼女が出ていった玄関に向け、小さく会釈をした。 74: 名無しさん@おーぷん 2014/08/15(金)22:43:30 ID:McsuXDPTs むさえさんかっこいい俺の嫁あい様はまだか 75: ◆YAe/qNQv0cvW 2014/08/15(金)22:43:49 >>74承知 76: 名無しさん@おーぷん 2014/08/15(金)22:48:54 ID:wB13TmNVu 泣いた 84: ◆YAe/qNQv0cvW 2014/08/15(金)23:36:32 「――おーいみんな!ちょっといいか!」工場の中で、工場長が声を上げた。その声に従業員は手を止め、彼の方を見る。もちろん、オラも例外じゃない。「今日はうちの工場に、元請けのお偉いさんが視察に来る!しっかり働けよ!」「うぃー!」「それだけだ!作業に戻ってくれ!」工場長が話を終えると、従業員は再び手を動かし始めた。(元請けのお偉いさんか……難癖でも付けにくるのか?)心なしか、全員緊張しているようにも見える。何しろ、元請けだしな。下手なことをしていたら、最悪契約を切られる。そうなったら、こんくらいの工場は、あっという間に危機に陥るだろうし。 85: ◆YAe/qNQv0cvW 2014/08/15(金)23:36:38 それからしばらくすると、工場に一人の女性が入って来た。長い黒髪をした女性だった。スーツを着こなし、毅然として歩く。彼女は工場長からの説明を受けた後、工場内を見て回る。そんな彼女の姿を見た従業員は、思わず手を止めていた。それもそうだろう。何しろその女性は、かなりの美人だった。どこか童顔ではあるが、整った鼻筋、仄かに桃色の唇、きりりとした凛々しい目……その全てが、美人と呼べるだけのパーツであり、絶妙な配置をしている。彼女の顔を間近で見れば、目の前の作業なんて忘れてしまうだろう。……だが、どこか見覚えもある。どこだっただろうか……「……あら?」ふと、彼女はオラの顔を注視した。(やば……なんか問題あったか?)オラは目の前の作業工程を頭の中で確認する。不備は……ない。だが彼女は、ツカツカとヒールの音を鳴らせながら、オラの方に近付いてきた。そしてオラの横に辿り着いた彼女は、オラの顔を覗きこむ。「……な、なんですか?」「………」彼女は何も言わない。ただ黒い瞳を、オラに向けていた。見ていると、何だか吸い込まれそうになる……――と、その時……「―――しん…様?」「……はい?」女性は、オラにそう話しかけて来た。その呼び方をする人は、オラの知る限り一人しかいない……それは……「……もしかして……あい、ちゃん?」すると彼女は、それまでの凛々しい態度を一変させ、その場で飛び跳ねてはしゃぎ始めた。「やっぱりそうだ!――そうです!あいです!酢乙女あいです!お久しぶりです!しん様!」……工場内には、どよめきが走った。 86: 名無しさん@おーぷん 2014/08/15(金)23:38:17 ID:Kl1PXqcuV キター 87: 名無しさん@おーぷん 2014/08/15(金)23:38:25 ID:wB13TmNVu しん様ーーー!! 88: ◆YAe/qNQv0cvW 2014/08/15(金)23:47:27 「――はい、あいちゃん」休憩所の中で、オラはあいちゃんにコーヒーを手渡す。「ありがとう、しん様」「このコーヒー、スーパーの特売品だから、あいちゃんの口に合うか分かんないけど……こんなものでゴメンね」するとあいちゃんは、首を振って笑顔を向けて来た。「そんなことないです。しん様が入れてくれたものですもの。それだけで心が満たされます」そしてあいちゃんは、コーヒーをすする。「……うん。悪くありません」「ありがとう、あいちゃん。……ところで、そのしん様って呼び方、どうにかならないかな……」「……嫌、ですか?」「嫌というか……なんか、恥ずかしいし……」「………」しばらく考え込んだあいちゃんは、口を開いた。「……分かりました。今日からは、しんのすけさんとお呼びいたします」「助かるよ……」彼女は、微笑んでいた。そんな彼女に、オラも微笑みを返した。 89: ◆YAe/qNQv0cvW 2014/08/16(土)00:04:06 「――それにしても、このようなところでしん様……失礼、しんのすけさんと再会するとは、夢にも思いませんでした」「オラもだよ。まさか、この工場の元請けがあいちゃんの会社だったなんて……しかも、あいちゃんが視察に来るとは思いもしなかったよ。世間って狭いね」「そうですわね。……でも、だからこそ人生とは楽しいのかもしれません」あいちゃんとオラは、感慨深く話していた。「……でも、あいちゃんは変わらないね。とても凛々しくて、カッコいいよ」「そんな、しんのすけさん……それを言うなら、しんのすけさんもですよ」「オラは……そんなことないよ。だって、昔みたいにバカやってるわけじゃないしね。ガッカリしたでしょ?」「いいえ!そんなことありません!」あいちゃんは、語尾を強くしてオラの方に体を向けた。「確かに、今のしんのすけさんは変わられました。でも、それはいいことなんです。人は、時間の流れと共に、年齢を重ね、体を変化させていきます。――ですが、心は違います。心だけは、成長するか否かは、その人自身にかかってます。若くして立派な心を持つ者もいれば、歳だけを重ねて、いつまでも心を成長させない者もいます。……しんのすけさんは、きっと前者です。しんのすけさんは、歳相応に心も成長しているんです。そんなしんのすけさんは、素敵だと思います……」「あいちゃん……ありがとう。そう言ってくれると嬉しいよ。そんな自覚はないけどね」「いいえ。しんのすけさんは、やっぱりしんのすけさんですよ。行動が変わっても、それは変わっていません」あいちゃんは、微笑みながらそう言ってくれた。そんな彼女の言葉に、どこか救われた気がした。父ちゃんと母ちゃんがいなくなってから、オラはしっかりしようと思った。オラがしっかりしないと、ひまわりを育てることが出来ない。そう思っていた。それでも、オラの中には不安があった。自分はきちんと出来ているだろうか。大人として、ひまわりの手本のとなれるだけの人になっているだろうか。そんなことを考えていた。そしてあいちゃんは、オラのそんな不安を払拭してくれた。それが、とても嬉しかった。 90: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)00:07:29 ID:qvRzPccu5 恋愛キター 91: ◆YAe/qNQv0cvW 2014/08/16(土)01:16:32 「ところでしんのすけさん。あなたは確か、中小企業で働いていたのではありませんか?どうしてこの工場で……」「ええと……それはね……」「……あ、もしかして言いにくい事情がおありなんですか?それなら、無理に言う必要はありません」「……そ、そう?ありがとう、あいちゃ――」「――こちらで、調べますので……」「へ?」「――黒磯」あいちゃんの呼び掛けに、天井からスーツ姿の黒磯さんが降りて来た。「―――!?」黒磯さんは、白髪になっていた。色々と苦労が多いのかもしれない。それでも、その白髪頭は、まるで歴戦の戦士のように見える。なんというか、渋い。黒磯さんは、オラに深々と一礼した。「……お久しぶりです、しんのすけさん。お元気でなによりです」「あ、ああ……黒磯さんも……相変わらずだね……」「黒磯。至急調べなさい」「――御意」あいちゃんの言葉に、黒磯さんは再び天井にロープを投げ、スルスルと昇って行った。……色々と、レベルアップをしているようだ。 92: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)01:18:00 ID:pqv7Jb8ME 大変だね黒磯さん… 93: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)04:22:22 ID:ZKBD39bBy 黒磯ワロタ 97: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)09:40:11 ID:pqv7Jb8ME 先生との恋成就したのかな黒磯さん 94: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)08:17:17 ID:3QSaOeXjO よくこんなにおもしろいの作れますね…惚れちゃう←がんばってください! 100: ◆YAe/qNQv0cvW 2014/08/16(土)11:00:32 それから十数分後……「――戻りました、お嬢様……」今度は床下から這い出てきた黒磯さん。何でもありのようだ……(ていうか、早すぎるだろ……)そして黒磯さんは、一枚の紙をあいちゃんに渡す。それを見たあいちゃんは、目を伏せた。「……なるほど……こんなことが……しんのすけさんの心中、お察しします」「察する程でもないって。特に何も考えてなかったからね」「それでも、人のために行動するその御気持ち……あいは、感動しました!」あいちゃんは紙を抱き締めながら、天を仰いだ。「そんな、大袈裟だなぁ……」するとあいちゃんは、視線をオラに戻す。そして、優しい笑みを浮かべて、切り出した。「――しんのすけさん、あなたは、今の職場で働いていくおつもりですか?」「う~ん……まあ、僕がいないと困るだろうし……。それより、なんで?」「……実は、酢乙女グループの本社ビルで、新しく1名の雇用を募集しているのです」「酢乙女グループの?」「そうです。――しんのすけさん。そこに、応募してみませんか?」「……え?」 101: ◆YAe/qNQv0cvW 2014/08/16(土)11:01:25 「給料は今よりはいいはずです。少々体力を使いますけど……」「いやいや、それはダメだよ」「どうしてですか?」「だって、なんかそれって、卑怯じゃないか。あいちゃんのコネで入るみたいな感じで……」そう言うと、あいちゃんはフッと笑みを浮かべた。「しんのすけさんなら、そう言うと思いました。……ですが、その心配には及びませんわ。その募集自体は、一般に正規に知らせていること。それに、私がするのは、あくまでもそれを紹介しただけにすぎません。結局採用されるかどうかは、しんのすけさん次第なんですよ」「あ、そういうこと……」そしてあいちゃんは、表情を落とした。「……ごめんなさい、しんのすけさん。本当はすぐにでも採用したいのですが……」「分かってるって。あいちゃんは、そこの重役だしね。知り合いだからって、重要な仕事を無条件に任せるなんてしちゃいけないよ。――そうだな。でも、せっかくあいちゃんが勧めてくれたから、ダメ元で受けてみるよ」「……はい!頑張ってください!あいは、信じております!」そしてオラは、応募した。――だがその時、オラは知らなかった。オラが応募したそれが、どういう仕事であったのかを…… 102: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)11:07:18 ID:IrpLV8coe 酢乙女グループどういう経営してるんだよ 103: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)11:11:26 ID:jZcwezdY2 >>102それは、今更だろ原作でも何でもありな経営してたし 104: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)11:17:01 ID:IrpLV8coe >>103そうだったか?全然覚えてないおしえてくれ 109: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)11:35:42 ID:jZcwezdY2 >>104具体的には覚えてないけど、何かにつけて両親の会社の事業でって言ってたろコミック見ても、けっこうあると思うぞ 105: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)11:22:13 ID:pqv7Jb8ME ゴミ拾いから土地経営までやってるからな 108: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)11:33:27 ID:IrpLV8coe >>105ほうほう 107: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)11:32:16 ID:1WZzombzi ふう、おいついた。一気に読んでしまった。おもしろい!支援 111: ◆YAe/qNQv0cvW 2014/08/16(土)11:40:26 それから1週間後、オラは酢乙女グループ本社ビルの前にいた。「ここが……」摩天楼の真ん中にそびえ立つ、超巨大高層ビル……。見上げると、目眩を起こしそうになる。「……やっぱ、超巨大企業だよな……」しかしまあ、見上げてばかりでは前に進めない。とりあえず、中に入ることにした。入り口を入ると、エントランスホールが広がる。しかしまあ、無茶苦茶広い。たぶん、あの工場くらいの広さがある。何だか場違いなところに来てしまった気がする。(……いかんいかん。今の内から呑まれてどうする。落ち着くんだ……)一度大きく深呼吸したオラは、受付に話しかける。「――あ、あの……」「はい。いかがされましたか?」「ええと……今日予定されている、採用試験を受けに来たんですが……」「……あなたが……ですか?」受付の女性は、どこか不審がるような目をしていた。受けるのが、そんなに珍しいのだろうか。はたまた、オラが何かマズイ格好でもしてるのだろうか。……まあ、確かに安物のスーツだが……「……試験会場は、15階の会議室です」しばらくオラを見つめた女性は、淡々とオラにそう説明した。なんだか腑に落ちないけど、とりあえず、オラは10階に向かった。 112: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)11:53:17 「ここか……」看板の立てられた会議室を見つけたオラは、一度深呼吸してドアを開けた。ここに、ライバル達が……「…………」――目の前の光景に絶句する。会場にいたのは、オラが想像していた人ではなかった。皆、屈強な体をしている。顔に傷があったり、筋肉隆々だったり……。オラがドアを開けるや、全員が鋭い目つきでオラを睨み付けてきた。その部屋だけ、海兵隊か何かの部屋のように異様な雰囲気だった。「……間違えました」オラは静かに、ドアを閉める。そして入り口に立て掛けられた看板を、もう一度じっくりと眺めてみた。そこに書かれていた文字は、何度見ても採用試験会場……間違いはないようだが……何はともあれ、とりあえず中に入ることにした。 113: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)11:53:19 ID:3BlE1P7Dq しんちゃん15階だよ… 114: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)11:53:47 >>113スマン普通にミスった 116: おとなし高1◆V7Y2rUhOcQ 2014/08/16(土)11:54:31 ID:l2drbRpc5 しんちゃん剣道やってたよね 119: ◆YAe/qNQv0cvW 2014/08/16(土)12:51:33 それから少ししたら、試験管がやって来た。年配の、とても小さい人だった。プルプル体が小刻みに震えている。オラも浮いているが、オラよりもっと浮いていた。「……えぇ、それでは、試験の説明に入らせていただきます。試験は3日に分けて行われます。それぞれ、面接、体力、実技を行う予定です」(実技って……何の?)「それでは、さっそく始めますね。――ではまず、グルチェンコフさん」「俺ノ出番カ!!採用ハ俺ガモラウカラナ!!HAHAHAHA…!!」ゴリマッチョのドデカイ外国人さんが、片言で出ていった。ロシア人だろうか。……てか、あんな人も受けてるんだ……そこに来て、もしかしたら、すんごく変なものに応募してしまったのではと思い始めた。だって、どう見てもパソコンとか使えそうにないし。重火器使わせたらランボーより強そうだし。全員が、まるで戦闘前のように瞑想にふけってる。よく見れば、思い切りミリタリーチックな服装をしている人もいた。スーツは、オラだけだった。(……あいちゃん。オラに、何をさせようとしてるの……)周囲を横目で見渡した後、溜め息を吐きながら、項垂れるしかなかった。 120: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)12:53:51 ID:tCcsSiknN ヤクザと抗争でも始める気か… 121: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)12:57:58 ID:7IPv1MdhZ 昔のしんちゃんが目を覚ましそうだな 122: ◆YAe/qNQv0cvW 2014/08/16(土)13:04:16 それから、続々と歴戦の猛者共が呼ばれていった。全員が一様に、気合を入れて出ていく。この人達は、戦地にでも赴くのだろうか……まあ、ある意味戦場ではあるけど。どう考えても、会社員より兵隊さんが合ってると思うけど。「――次の方……しんのすけさん!」「あ―――はい!」ついに、オラの名前が呼ばれた。「……オイオイ見ロヨ」ヒソヒソ「ナンダアイツハ。マルデモヤシジャナイカ」ヒソヒソ「ダガ、俺達カラスルト、ライバルガ減ッテ助カルナ」ヒソヒソ「マッタクダ。HAHAHA…」ヒソヒソメチャメチャ笑われてる。ていうか、片言なのにやけに達者だな。確かに、ここにいる奴から見れば、俺は笑いの対象だろうけど。なんだか居心地が悪くなったオラは、足早に面接会場へ向かった。 123: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)13:08:28 ID:tCcsSiknN 日本人皆無な件 124: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)13:15:01 ID:ZYfszr6yb >>123バカ!これはベルトくんが出てくるフラグに決まってんだろ! 125: ◆YAe/qNQv0cvW 2014/08/16(土)13:15:50 「――野原、しんのすけさんですね?」「は、はい……」面接室は、無駄に広い別の会議室だった。そこに、試験官が2人いた。どう見ても、普通のおじさんだが。「それでは、さっそく面接を開始します」「は、はい!」「……これから、あなたにいくつか質問します。その質問に対し、嘘偽りなく答えてください。なお、あなたの座る椅子には、ポリグラフ装置が組み込まれています。きちんと、答えてください」「ポリグラフ……」(つまりは、嘘発見器か……)変わった面接だと思う。通常、面接では大多数の人が本音を隠して受け答えをするし、企業側もそれを百も承知するはず。なんだろうか。正直に言う人間に信用を置くのだろうか……そして面接官は、重い口を開いた。「――では、始めます……」「………」ゴクリ「……今まで、重火器等を用いて、人を撃ったことはありますか?」「…………………はい?」「また、それにより、人を殺害したことはありますか?」「いやいやいやいやいやいや……ちょっとちょっと……」「むぅ……ポリグラフが乱れていますね。一度、落ち着いてください」(落ち着けるかあああああああ!!)なんだこの質問は!?ポリグラフなんて使う必要もないだろ!!なんだこれは!!ふざけてるのか!?……そこで、オラは察した。きっとオラは、見かけだけで落とされたのだと。だからこそ、適当な質問をされているのだと……おそらくは、これからも無茶苦茶な質問が来るだろう。なんだか、凄く頭にきた。それに伴い、やけに頭が冷静になっていく。(……いいさ。どんな無茶苦茶な質問でも、何でも答えるさ。オラの経歴に驚くがいい……!!) 126: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)13:18:37 ID:45pKcsLn2 映画であれだけ活躍してたり生き延びてたりしたから強いわ 127: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)13:23:33 ID:eyplkqomV ほとんど5歳時だからな…少し鈍ってるかもな 128: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)13:25:00 ID:45pKcsLn2 未来しんのすけのポテンシャルって高いの?見たことないからわからん 131: ◆YAe/qNQv0cvW 2014/08/16(土)13:29:16 そして、オラの戦いが始まる。Q 今まで、人を殺したことは?A 殺したことはありませんが、目の前で人が死ぬのは見ましたQ これまで行ったことがある場所で、変わったところはありますか?A 過去と未来に行きました。あと、別の星とか。Q これまでで、悪の組織等と戦闘したことはありますか?A たくさんの悪の組織と対決しましたQ それは、例えば?A 別の世界のオカマとか、世界征服を企む悪の組織とか。悪の組織はいろいろいました。世界を昭和時代に戻そうとしてたり、時間犯罪者だったり。ああ、サンバ躍らせたり人を動物に変えようとした奴もいましたね。Q それらの組織は、どのようにして勝利したのですか?A 色々です。正義の味方と一緒に戦ったり、象になったり、温泉入ったり。Q それでは、これまでで一番の功績は?A もちろん、幾度となく世界の危機を救ってきたことです。みなさんは知らないかもしれませんが、今の世界があるのは、全部オラ達のおかげなんです。Q オラ達?他に、誰と一緒に?A 両親等の家族や友達です。家族で世界を救ったことの方が多いでしょうね。Q 分かりました。最後に、何か武道の心得はありますか?A 小さい頃に、剣道をしてました。Q 最終成績は?A ちびっ子剣道大会で決勝まで行きました。辞退しましたけど。Q その理由は?A 当時テレビであってた、アクション仮面が見たかったからです。それに、当時のライバルに勝てたから満足しましたし。Q 分かりました。ありがとうございました。A いえいえ。どういたしまして。……こうして、色々捻じ曲がった面接は終わった。しかしながら、今考えても、小さい頃のオラって色々凄いな…… 132: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)13:31:35 ID:45pKcsLn2 記憶継続は勝確やんけ 133: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)13:43:00 ID:axPnrQW3t しんのすけ、悟空みたいな事言うんだな親子カメハメ破お願いします 136: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)14:23:51 ID:7bWRoVCop しんちゃん凄すぎwww 145: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)20:37:02 ID:YyfzqyQw8 wktk 146: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)20:57:05 ID:88uqRJAJb ワクワクが止まらない 147: ◆YAe/qNQv0cvW 2014/08/16(土)21:04:53 初日が終わったオラは、返りながら項垂れていた。あんだけ無茶苦茶な質問が繰り返されたんだし、たぶん無理だろ……とはいえ、試験は全て受けないといけないらしい。本音を言えばもう行きたくないんだけど……それだと、せっかく紹介してくれたあいちゃんに申し訳ない。しかたなく、二日目以降も行くことにした。「――お兄ちゃん、なんか疲れてるね……」家で、オラにお茶を出しながらひまわりが呟いてきた。「ああ、ありがとう。……まあ、ちょっと慣れないことやったしな……」(あんな面接、慣れてる人の方が珍しいだろうけど……)するとひまわりは、困ったように微笑みかけてきた。「……お兄ちゃん、無理しないでよね。お兄ちゃんさ、ときどき、色んな事を全部一人で背負っちゃうし」「……」「私もいるんだからね?家族なんだし……。だから、その……うまく言えないけど……」あまり慣れないことを言ったからか、ひまわりは言葉に詰まってしまった。……でも、それでも、彼女の気持ちは、思いは、十二分に伝わってきた。「……ありがとう、ひまわり。少し楽になったよ……」「……うん。頑張ってね!お兄ちゃん!」ひまわりは、太陽のような笑顔をオラに向けた。ひまわりは、漢字で向日葵と書く。別名、日輪草。……父ちゃん、母ちゃん、ひまわりは、名前に負けないくらい、太陽のような女性に育ってるよ。――明日も、頑張ろう。 148: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)21:07:23 ID:YyfzqyQw8 会話が夫婦みたいでなごむ 150: ◆YAe/qNQv0cvW 2014/08/16(土)21:32:39 ――試験二日目。この日は体力試験。酢乙女グループが所持する、ドームで開催。とりあえずジャージで出場。他の軍人(?)様は、皆が白いタンクトップ。際立つ筋肉。漂う漢達の匂い。……暑苦しい。――第1種目「100m走」――オラの記録、16秒。他の皆様、平均11秒。いや早すぎでしょ。――第2種目「懸垂」――オラの記録、4回。既に腕がパンパン。他の方々……平均100回オーバー……どういう体の構造してんの……――第3種目「ソフトボール投げ」――オラの記録、55m。他の方々……100m越え連発……野球選手でも目指しているのだろうか……こうして、体力検査は進んでいった。結果から言えば、オラが圧倒的最下位をひた走る形となる。頑張ろうかと思ったけど、流石にもう無理だろうな。他の方々が逞しすぎるし。……そもそも、いったいなんの採用になんだろうか……そして試験は、最終日を迎える。 153: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)21:46:20 ID:88uqRJAJb 100m16秒とか遅すぎぃぃぃwwwwやっぱり27だからか?いや、タメの俺より遅い 154: ◆YAe/qNQv0cvW 2014/08/16(土)21:47:56 >>153あんまり調べずに書いたごめん 155: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)21:56:10 ID:88uqRJAJb 男子高校生で一般的に速い奴で13秒ちょいかな?16秒だと本当に遅い奴か女の子かな? 156: ◆YAe/qNQv0cvW 2014/08/16(土)21:59:00 「――今日の試験最終日は、実技です。みなさん、頑張ってください」「イエッサー!!!!!」年配の人は、そう話す。他の方々は、元気いっぱいに答える。実技の場所は、とある建設現場……なぜこんなところだろうか。ていうか、実技ってなんだろう……オラの不安を他所に、試験管はよぼよぼと話す。「……今日は、試験責任者である、酢乙女あい様が見学に訪れています……お嬢様、どうぞ……」すると、試験管の後ろからあいちゃんが出て来た。「皆様、今日の試験、頑張ってください」「ウオオオオオオオオオオ!!!!」興奮する男共。(あいちゃん、来てたんだ……)あいちゃんはオラの方を一度だけ見て、小さく笑みを零した。(あいちゃん……オラ、もう無理っぽい……) 157: 名無しさん@おーぷん 2014/08/16(土)2
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